インフルエンザの型はどう区別(A型、B型、香港型?)
冬になると、注目されるインフルエンザですが、様々な型があることはご存知かとおもいます。「今年はA型が流行る。」、「B型に罹った。」等という声を耳にすることがあります。また、ニュースでは「香港型」「ソ連型」等という型を耳にすると思います。
このような話を聞いていると、「そもそもインフルエンザの型とは何なんだ」と思ってきます。そこで、本記事ではこのような疑問に答えるために、インフルエンザの型について簡単に説明します。
抗原の種類でABCに分類
まず、インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類に分類されます。これら3種類の違いは、ウイルスを構成するタンパク質の抗原性の違いにより分類されます。ここで、一度ウイルスの抗原性について説明します。
~ウイルスの抗原性~
抗体は生体内の防御システムに関連している物質で、体内に病原体が侵入した際に、病原体の特定の部分と結合します。この病原体の特定の部分が抗原です。そして、この抗原によって、結合できる抗体は異なります。そして物質が抗原として持つ性質を抗原性と言います。
インフルエンザウイルスの話に戻ると、A、B、Cの違いは、ウイルスを構成するタンパク質の抗原としての性質が異なることを意味します。すなわち、A、B、Cでウイルスを構成するタンパク質と結合する抗体が異なるのです。
ちなみに、血液型も抗原性によって分類されています。
そして、インフルエンザの症状はこのABCの違いにより、症状が異なります。
A型インフルエンザをさらに分類
次の段階の分類に移ります。A型インフルエンザウイルスは、さらに細かく分類されます。インフルエンザウイルスの表面から、突起物が出ています。表面から突き出たものは、タンパク質でノイラミニダーゼ(HA)とヘマグルチニン(NA)、で構成されています。(正式名称は気にしなくていいので、NAとHAは覚えておくと今後の説明が理解しやすいと思います。)
A型インフルエンザはHAとNAの種類で、さらに分類されます。
- HAは9種類(H1~H9)
- NAは16種類(N1~N16)
A型インフルエンザはこれら、HAとNAの組み合わせで決まります。A型インフルエンザの表記の例を以下に示します。
例:H5N1亜型
これは、HAがH5で、NAがN1の組み合わせのA型インフルエンザウイルスであることを示します。
ちなみに、パンデミック(世界的流行)として猛威を奮うのは、すべてA型インフルエンザウイルスが原因です。
香港型、ソ連型
つづいて香港型、ソ連型についてです。香港型、ソ連型はともにA型インフルエンザの一種です。上記の分類法で分類すると、
- 香港型 H3N2亜型
- ソ連型 H1N1亜型
これらの亜型は、B型インフルエンザと共に、冬場になると毎年流行するインフルエンザで、数あるA型インフルエンザの一種類です。そのため、ニュースや健康番組で耳にすることが多いのです。
あくまで、A型インフルエンザの一種類です。
4.まとめ
- インフルエンザウイルスのタンパク質の抗原性ABC分類
- A型はノイラミニダーゼ(HA)とヘマグルチニン(NA)でさらに分類
- 香港型、ソ連型はともにA型の亜型