パンダの嗅覚・聴覚・視覚:web動物図鑑
ここでは、パンダの嗅覚、聴覚、視覚について紹介します。パンダは、絶滅が危惧されています。そのため、パンダの数を増やすために、様々な研究が行わてきました。ここではその研究結果から、パンダが嗅覚、聴覚、視覚をどのように利用しているか見ていきましょう。
嗅覚
パンダも他の動物と同様に匂いづけをする動物として知られています。分泌物や尿を用いて、匂いづけしています。また、パンダはクマの仲間で、他のクマと同様に嗅覚が発達しています。
パンダは他のパンダが付けた匂いから、以下のことを判断可能と考えられています。
- 性別
- 年齢(子どもか大人か)
- 社会的地位
- メスが発情しているか
パンダの、分泌物や排泄物の成分を個体ごとに化学的に分析したところ、約50%の確率で個体を区別できたそうです。これはあくまで、分析装置を使った分析なので、パンダが同レベルの識別をできるわけではありませんが、匂いから様々な情報を得ているのは間違いないでしょう。
匂いづけの方法
パンダは様々な方法で匂いづけをおこないます。匂いづけの方法は大きく以下の4種類に分かれます。
- しゃがみ型
- 背中こすりつけ型
- 片足上げ型
- 逆立ち型
しゃがみ型・・・全てのパンダが行うが、メスと子どもに多い。
うしろ向き型・・・大人のパンダが行う。木などに背中をこすり付ける。
片足上げ型・・・大人のパンダが行う。オスの方がメスより多く行う。
逆立ち型・・・オスが行う。逆立ちして尿を木の幹にかける。
匂いづけの方法も情報を持つ
パンダの匂いづけの方法にも情報が含れます。オスのパンダは、逆立ち型による匂いづけをしますが、これはメスの気を引くためだと考えられています。
メスのパンダは、匂いづけの位置が低い所より、高い所の匂いに強い関心を抱き、長い間匂いを嗅ぎます。これは、高い位置に尿をかけることができるオスは、それだけ体が大きく強い魅力的なオスだからです。
聴覚
パンダの鳴き声は個体で異なります。また、血縁関係が近いパンダほど、似た声を出します。近い距離なら、血縁関係の近さを鳴き声で区別できます。森林地帯に生息するパンダにとっては、理想的なコミュニケ―ション手段となります。現在では、鳴き声で性別、年齢、体の大きさ、メスの発情の有無、血縁関係が判断できると考えられています。
視覚
パンダは一部の色を識別できます。これは、ヒト以外の動物では珍しいことです。クマの仲間は、一部の色を識別できます。このことからも、パンダはクマの仲間であることがわかります。
また、パンダは個体によって目の周りの黒い部分の形と大きさが異なり、この部分でお互いを区別できている可能性もあります。
一言
意外かもしれませんが、パンダの研究は中国の保護センターだけでなく、アメリカの動物園でも行われています。