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シマウマの特徴:web動物図鑑

ここでは、シマウマの特徴を紹介しています。一口にシマウマといっても、実は3種に分かれます。また、縞(しま)模様の理由についても紹介しています。

シマウマの立ち姿

3種に分類

3種類のシマウマの写真と文字と黄色い背景

冒頭でも述べましたが、「シマウマ」と呼ばれる動物は、以下の3種に分類されます。

  • ヤマシマウマ
  • サバンナシマウマ
  • グレービーシマウマ

それぞれの特徴をまとめます。

ヤマシマウマ:お腹に縞がない、縞が疎(間隔が広い)

サバンナシマウマ:お腹に縞がある、縞が疎(間隔が広い)

グレービーシマウマ:お腹に縞がない、縞が密(間隔が狭い)

食事

草を食べている2頭のシマウマ

シマウマが食事を行うのは、薄暗い早朝や夕方。昼間は、木陰で休んだり、水場で水を飲んだりして過ごす。シマウマが食べるのは以下です。

  • 低木
  • 小枝
  • 樹皮

シマウマが好んで食べるのは草。草なら種類を問わずに食べ、立派な歯で草の先端部分を摘み取るようにして食べます。シマウマが食べた草の残りの部分は、ヌーやトムソンガゼル、スイギュウなど食べるのです。そのため、これらの動物の群れがシマウマの群れの後を追うように移動することもあります。

分布

アフリカ大陸の地図と3種のシマウマが生息する場所を示す図

シマウマはアフリカ大陸に生息している動物です。種によって生息している場所が異なります。

ヤマシマウマ南アフリカナミビア

サバンナシマウマ:アフリカ南西部

グレービーシマウマエチオピア南部、ケニア北部

好む地形も種類によって異なります。

ヤマシマウマ:山地の草原

サバンナシマウマ:サバンナ(雨季と乾季がある場所)

グレービーシマウマ:低木地帯や半砂漠地帯

ヤマシマウマは、平地でも見かけられますが基本的には山好き。夏場は山地の坂道や、海抜1000 m以上の高原、絶壁などを好んで暮らしています。しかし、冬になると山を下り平地に移動。

サバンナシマウマとグレービーシマウマの住処の違いは乾燥度合。サバンナシマウマは、雨季のある地域を好み、雨を追うように移動をしながら生活しています。サバンナシマウマは、食べ物と水を雨に頼っているため移住が必要なのです。

一方で、グレービーシマウマは必ずしも雨を必要とせず、半分乾燥した地域で生きています。グレービーシマウマは2~5日程度なら、水を飲まなくても大丈夫。さらに、嗅覚を頼りに水脈を探したり、川を掘り返して水をさがしたりもします。

生活スタイル

水辺で水を飲む5頭のシマウマと背後に控えるシマウマの群れ

シマウマはハーレム(群れ)を作る動物ですが、群れの構成や関係も種によって異なります。

ヤマシマウマ:1頭のオスと数頭のメスとその子ども(大きな群れを形成しない)

サバンナシマウマ:1頭のオスと数頭のメスとその子ども(大きな群れ形成)

グレービーシマウマ:あまり強くない関係性を持つ

ヤマシマウマはハーレムを形成。ハーレムは1頭のオスと1~5頭のメス、その子どもから成ります。一方で、ハーレムを持たないオスは、ハーレムを持たないオス同士で群れを作ります。ヤマシマウマの場合、ハーレムが集まりさらに大きな群れを作ることはありません。

サバンナシマウマもハーレムを形成します。1頭のオスと数頭のメス、その子ども達がハーレムの構成員。は―レムを持たないオスは、お互いに集まって群れを構成。サバンナシマウマの場合、ハーレムやハーレムを持たないオスの群れが集まり、大きな群れになることがあります。大きな群れを作ってもハーレム内での、つながりは強いままです。

グレービーシマウマは、ハーレムのような強いつながりのある群れを作りません。グレービーシマウマは縄張りを持つオスと、メスの群れ、縄張りを持たないオスの群れに分かれて生活。メスは定期的に、オスの縄張りを間を歩き回っています。縄張りを持ったオスは、メスが自分の縄張りを訪れると繁殖を行います。一方で、縄張りを持たないオスは、縄張りを持つオスのテリトリーに入ると攻撃されるので避けるように生活するのです。

シマシマの理由

シマウマ模様

シマウマが縞模様である理由については昔から研究されてきました。縞模様である理由については、以下が挙げられます。(今では否定されているもの有り。)

  1. 草に紛れやすい
  2. 1頭ずつの形をわからなくする
  3. お互いを認識しやすくする
  4. 体温調節
  5. ツェツェバエ対策

順に解説します。

草に紛れやすい

シマウマの、縞模様はある程度離れた距離から見ると灰色に見えると言われています。そのため、捕食者に気づかれにくくなるのです。しかし、捕食者の目はそれほど良くないため、これは否定されています。

一頭ずつの形をわからなくする

シマウマは集団で暮らす動物です。体が縞模様だと、集団で集まった時に離れて見ると一頭一頭の輪郭が不鮮明に。その結果、捕食者がターゲットを絞りにくくなり、生存競争に有利になります。

お互いを認識しやすくする

シマウマは集団で生活するので、自分と関係の深い個体とそうでない個体を識別する必要があります。個体の識別に一役買っていると言われるのが縞模様。実際、シマウマ一頭一頭の模様は少しずつ異なります。しかし、シマウマの視力を考えるとかの説も怪しいようです。

体温調節

一般的に、黒色は光を吸収しやすく、白色は光を反射しやすいです。そのため、シマウマの黒い部分は温まりやすく、白い部分は温まりにくいと考えられます。その結果、黒と白の部分に温度差が形成。この温度差を打ち消すために、黒い部分から白い部分に空気が流入。この時に生じる空気の流れで、体温調節をしているという説です。

しかし、これは某番組の実験で否定されています。

ツェツェバエ対策

現在有力な説です。ツェツェバエはアフリカ眠病という恐ろしい病期の原因となる寄生虫を、媒介する昆虫です。動物の血を吸うことで生きています。

ツェツェバエは、見た目が黒や白など単色の物に止まりやすく、縞々模様の物に止まりやすいことが、最近実験によってわかりました。この結果から、ツェツェバエに寄って来られにくくするために、シマウマは体を縞模様にしたと考えられるのです。

一言

シマウマが3種に分かれていることを知っていましたか?動物園に行く機会があれば、どのシマウマがいるか確認すると面白いと思います。最後に全く関係ない情報ですが、シマウマは捕食者から逃げる時には最高65 km/hで走るそうです。

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