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シフゾウの特徴:web動物図鑑

ここでは、シフゾウの特徴を紹介しています。

芝生の上に座る角の生えたシフゾウ

見た目の特徴

シフゾウは中国に生息する動物ですが、古代中国の人々には奇妙な動物に映ったようです。中国ではシフゾウについて以下のように、語られてきました。

「シカのような角を持つが、シカでない。

ウのような蹄(ひづめ)を持つが、ウシでない。

ウマのような顔を持つが、ウマでない。

ロバのような尾を持つが、ロバでない。」

このような表現からも分かる通り、昔の中国の人々はにとってシフゾウは不思議な動物だったのです。その不思議さからか、シフゾウは『封神演義』には主人公が乗る神獣のモデルにもなっています。

古代中国の人々には、変な動物に見えたようですが、シフゾウはシカの仲間です。そのため、シフゾウのオスには角が生えます。(メスには角はありません。)

しかし、シフゾウのオスの角は、他のシカの仲間とは異なる特徴があります。

通常のシカの角:1年に1回生え変わる

シフゾウの角:1年に2回生え変わる

シフゾウの夏の角は大きく、11月頃に抜け落ちます。その後、再び角が生えてきて1月頃まで成長し数週間後に抜け落ちるのです。この冬に生えた角は、夏に生えた角ほど大きくはありません。そして、また夏の角が生え始めます。

シカの角は毎年生え変わる

水を好む

シフゾウは水を好みます。肩まで水につかり、長い時間を過ごすことも多く、泳ぎが得です。さらに、水草など水中の植物も好んで食べます。

食事

シフゾウはシカの動物です。そのため、草食動物であり反芻(はんすう)を行います。

ウシの反芻と4つの胃

シフゾウが好む食べ物は以下です。

水を好むことから、水草を好んで食べることが、他のシカの仲間とお大きな違いです。

分布

シフゾウは中国のみに生息する動物です。現在、シフゾウは以下の地域に生息しています。

  • 北京周辺
  • 上海北部

現在は上記地域に生息しているシフゾウですが、実は野生のシフゾウは一度絶滅しました。しかし、かつて中国の国外に持ち出されたシフゾウの子孫が、イギリスの大貴族の庭で飼育されていました。そして、このシフゾウが中国に再導入される形で、再び中国に野生のシフゾウが戻ってきたのです。

社会構成

シフゾウは1年の大半を、同性で構成される群れで過ごします。そして、繁殖期になるとシフゾウのオスは、ハーレムを形成。強いオスが、複数のメスと繁殖を行うのです。

一言

ちなみに、シフゾウは特定外来生物に指定されています。これは、ニホンジカとの交配により、雑種が生まれることが懸念されるからです。日本の動物園にもシフゾウを飼育しているところもありますが、日本国内に解き放たれる確率は極めて少ないので現在の所心配はないでしょう。