トナカイは冷え性:web動物図鑑
トナカイは、非常に寒い北極圏の周辺に生息する動物です。そのため、体の熱を維持するための機能を取得しました。その一つが、敢えて冷え性になるということです。ここでは、トナカイの体温維持のメカニズムについて紹介します。
脚を冷え性にする
トナカイは、体温を維持するために、敢えて脚を体の中心の温度よりも低下させます。つまり、脚を敢えて冷え性にするのです。
脚を冷やすメリット
トナカイは脚の温度を下げる理由は、寒冷な生息地で効率的に体温を維持するためです。脚の温度を下げることで、体の中心から逃げる熱を減らすことができます。
トナカイの脚のように、細く体から突き出ている部分から熱は逃げやすいです。そこで、脚の温度を体温よりも低くすることで、余計な放熱を避けています。
脚を冷やすメカニズム
トナカイが足を冷やすメカにズムを「対向流熱交換」と言います。名前は複雑ですが、それほど、難しくはありません。
~対向流熱交換~
逆向きに流れる温かい液体と、冷たい液体を接触させること生じる熱交換。温かい液体は、冷たい液体により冷やされる。冷たい液体は温かい液体に冷やされる。
動脈血(心臓から送り出される血液)が温かい液体で、静脈血(心臓に戻ってくる血液)が冷たい液体です。動脈血と静脈血を接触させることで、対向流熱交換が生じます。その結果、動脈血は冷やされ、静脈血は温められます。
動脈血は脚に届く頃には、静脈血により冷やされているので脚は冷やされます。一方で、静脈血は心臓に戻る頃には、動脈血により温められているので、体の中心部は、温まったままです。
トナカイは、寒冷地域での生存競争に勝ち抜くために、対向流熱交換を効率的に行えるようになりました。
対向流熱交換で体を温める動物
対流交換で、体を温める能力は、多くの動物に備わっている機能です。ヒトにもあります。冬に寒い恰好をして外に出ると、手足の先は冷えてきます。これは、対向流熱交換を行っている証拠です。
多くの動物が、対向流熱交換を行いますが、この機能に優れた動物は、寒冷な地域に生息する動物です。以下のような動物です。
- トナカイ
- ホッキョクグマ
- ペンギン
- クジラ .etc
一言
ちなみに、動揺の「雪」では、雪が積もると、「イヌは喜び、庭駆け回る。ネコはこたつで丸くなる。」とあります。イヌの足の裏には対向流熱交換の機能がありますが、ネコの足の裏にはありません。イヌが駆け回って、ネコが丸くなるという動揺も、間違いではないようです。