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ホッキョクグマの特徴:web動物図鑑

ここでは、ホッキョクグマの特徴を紹介しています。

岩場に立つホッキョクグマ

食事

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ホッキョクグマも意外かもしれませんが、他のクマ同様、雑食性です。しかし、北極では、植物が育ちにくく、他のクマよりも植物を食べる量は少ないです。

ホッキョクグマは主に、アザラシを捕らえて食べます。また、アザラシの他にも魚や鳥、その卵なども食べます。さらに、時にはトナカイやセイウチ、イッカク、シロイルカを捕まえ食べたり、クジラの死骸を食べたりすることもあります。

さらに、ホッキョクグマは、捕らえた獲物の中で最も脂肪が多くカロリーが高い部分しか食べません。脂肪をできるだけ摂取して、食べ物の少ない夏に備えた貯蓄にします。

ホッキョクグマが、植物を食べるのは夏の氷が溶ける時期です。食べる植物はコンブ、スゲ、イチゴなどです。

狩り

ホッキョクグマが主に食べるのは、アザラシです。アザラシを狩る方法は以下の3つです。

  1. 静かに接近して急に襲い掛かる
  2. 呼吸穴での待ち伏せ
  3. 巣穴を探し出す

1つ目が表情で休んでいるアザラシに少しずつ近づいてから、急に襲い掛かる方法です。体が白いため、周りの氷や雪景色と同化でき、アザラシに気づかれずに接近できます。また、アザラシが時折周囲を警戒している際は、動かずにやり過ごします。そして、近づいたところで一気に襲い掛かります。この時、ホッキョクグマは時速55 km程度で走ると言われています。アザラシが、海に飛び込んで逃げる前に、仕留める必要があるのです。

2つ目が待ち伏せ作戦です。アザラシは哺乳類であるため、時折呼吸をするために海上に鼻を(顔を)出す必要があります。そして、アザラシが呼吸をする際は、氷に空いた決まった穴から行う習性があります。そこで、ホッキョクグマはアザラシが呼吸するための穴を見つけると、次にアザラシが呼吸をしにくるまで、じっと待ちます。そして、アザラシが呼吸をしに水面に顔を出したところを捕らえ、水面から引っ張り上げます。

3つ目が、鋭い嗅覚でアザラシの巣穴を見つけ出し捕らえる方法です。アザラシは子育てをする際に、子どもが泳げるようになるまで巣穴を作ってそこで子育てを行います。ホッキョクグマは他のクマと同様に嗅覚が優れているため、アザラシの巣穴を臭いを頼りに見つけ、アザラシを捕食します。

体の特徴

ここで注目するホッキョクグマの体の特徴は以下です。

  • 体の形

体が細長く流線形に近いこともホッキョクグマの特徴です。これは、泳ぐ時に水の抵抗をできるだけ減らすためだと考えられています。

ホッキョクグマの顔と水中のホッキョクグマの写真

泳ぐ際には、耳を折りたたんで水が入らないようにします。さらに、耳は小さく、できるだけ体温を逃がさないような構造になっています。

足にも特徴があります。足の裏にも毛が生えていて、氷の上を滑ることなく歩くことができます。また、前足は水かきのようなものがあり、後ろ足は舵の役目を果たします。

これら以外にも、ホッキョクグマは体毛にも工夫をしています。体毛に工夫を施すことで、防寒能力を高めています。しかし、防寒機能を高めると同時に汚れやすくもなってしまいました。

ホッキョクグマの防寒対策は汚れの元

分布

ホッキョクグマは名前の示す通り、北極圏、ユーラシア大陸の北部、北アメリカ大陸の北部に生息しています。

ただし、急速に進む地球温暖化の影響で、アザラシの絶好の狩り場である氷が溶け出しアザラシを捕獲しにくくなっています。実際に、餓死り、やせ細ったホッキョクグマが多く見つかっています。さらに、プラスチック製品による海洋汚染なども深刻で、ヒトが捨てたごみが北極に流れ着き、ホッキョクグマが誤飲してしまい死に至ることもあります。そのため、ホッキョクグマの生息数は減少しています。

一言

ちなみに、ホッキョクグマの肝臓はビタミンAが多すぎて、ヒトがそのまま食べると中毒死してしまうらしいです。

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