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理系出身の筆者、生物や化学のおもしろさを伝えるためのサイトです。当面は、生物や動物、それらに関連する技術・研究のメカニズムについて発信していきます。温かい目で見守って下さい。

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ヒトコブラクダの砂漠対策:web動物図鑑

ヒトコブラクダは、砂漠のような暑く乾燥した地域で生きることに特化した動物です。

砂地に立つヒトコブラクダ

ラクダの目

まつ毛:二重に生えている。

眉毛:太くてフサフサしている。

ヒトコブラクダの目には、カールした長いまつ毛が二重に生えています。このまつ毛によって、目に砂が入るのを防いでいます。さらに、眉毛も太く、ふさふさしています。この眉毛には強い日差しを遮る役割があります。

ラクダの横顔

鼻の孔:自由に開閉できる。

ヒトコブラクダは、鼻の孔を自由に開閉できます。鼻の穴を閉じることによって、風などで、巻き上がった砂が鼻の中に入るのを防ぐことができます。

正面から見たラクダの顔

耳:毛がびっしり生えている。

耳の周りには、毛がびっしり生えています。さらに、他の動物に比べ、耳は頭からあまり飛び出ないような、付き方をしています。これらの特徴は、耳の中に砂が入ることを防いでいます。

足の裏

砂地の上についたラクダの足跡

足の裏:小さな蹄(ひづめ)と柔らかい肉球がある。

足の裏の蹄は小さく、蹄以外の部分は肉球で柔らかくなっています。これは、砂漠で脚が砂に埋もれてしまうことを防ぐためです。蹄以外の柔らかな部分は、体重がかかると広がり、地面との接地面積が大きくなります。接地面積を大きくして、体重により地面にかかる圧力をできるだけ小さくすることで、砂に埋まりにくくしています。

背中のこぶに布を付けたラクダとそれを引く人

脚:長い四肢。

たこ:座った時に地面に付く部分が大きくかつ硬くなっている。

脚にも特徴があります。そのひとつが、長い四肢です。これは、太陽で温まった地面からの熱を受けにくくするためです。

また、ラクダは、休息を取る時は地面に座ります。その際、膝のような地面に触れる部分は、硬くなっています。上の写真では前脚で、大きく膨れている箇所がそうです。このような硬い部分は、何度も座るから硬くなるわけではなく、生まれた時から硬くなっています。

体毛

ヒトコブラクダの群れの写真

背面:体毛は分厚い。

腹面:体毛は薄く白っぽい。

背面の体毛が分厚い理由は、太陽光から体を守るためです。一方、腹面の体毛が白っぽいのは、太陽光の照り返しによる光を吸収しにくくして、熱により体が温まるのを防ぐためです。

こぶ

2頭のラクダの顔の写真

こぶ:脂肪はこぶに集中させる

こぶは、脂肪の塊です。砂漠などの乾燥地帯では、食べ物を得られない日が続くことがあります。そこで、ラクダは、食べ物が食べられるときに、大量に食べてこぶに脂肪を蓄えます。そして、食べ物を食べられない時は、こぶの脂肪を消費してエネルギーを作り出します。詳しくは以下を参考にしてください。

ラクダのこぶは脂肪:web動物図鑑

さらに、全身にまんべんなく、脂肪を蓄えるのでなく、背中にこぶとして、脂肪を集中させることにも意味があります。背中のこぶは太陽光に当たり、熱が体に伝わり体全体が温まるのを防ぐ、断熱材の役割を果たします。一方で、こぶ以外の部分からは、脂肪が少ないため熱が逃げやすくなっています。

水の貯蓄と節約

ペットボトルを口に咥えるラクダ

水の貯蓄と節約:大量の水を貯め込み、水を飲めない時は節約する

水が飲めるときに、大量の水を飲み体にため込みます。そして、一度飲んだ水の配収津を防ぐための仕組みが備わっています。詳しくは、以下を参考にしてください。

また、ラクダは乾燥にも強く、体重の30%の水分を失っても、死に至ることはありません。ヒトの場合は、体重の10%水分を失うと精神が錯乱した状態になることと比較すれば、乾燥に対する耐性も強いことがわかります。

座る時の向き

鞍を載せたラクダの群れが一列に並んで座っている写真

座る向き:顔が太陽の方向に向くように座る

休息をする時、地面に座って休息を取ります。その際は、必ず顔が太陽の方向に向くように座ります。顔を太陽に向けるように座ることで、太陽の光が当たる面積を最小にできます。その結果、太陽光が当たることによる、体温の上昇を最小にできます。

一言

ヒトコブラクダは砂漠のような暑く乾燥した地域に適応し、生き残ることに成功しました。ヒトや他の動物には、真似できないことだと思います。

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