りけイノシシのweb〇〇

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ブタの特徴:web動物図鑑

ここでは、ブタの特徴について紹介します。ブタはイノシシの亜種です。長い年月をかけて、ヒトがイノシシを家畜化して、誕生したのがブタです。

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食事

牧草を食べるブタ達

基本的にイノシシと同じで雑食性で、なんでも食べます。土を掘り返して、土の中の、根や球根に加え昆虫の幼虫やミミズなども食べます。

一般的に畜産農家では、ブタに飼料が与えられています。日本の多くの農家で、与えられる飼料には、穀類、ぬか類、油粕などの濃厚飼料と、根菜類、牧草などの粗飼料の二つが与えられています。

イノシシから家畜化

冒頭でも述べましたが、ブタはイノシシを改良して生まれました。イノシシから改良された点は以下です。

  1. 肥満型で良質な肉
  2. 多産で成長が早い

順に説明します。

肥満型で良質な肉

まず、ブタは一頭から肉ができるだけ多く取れるように、肥満型の体形になるように改良されました。そのため、ブタの方が、イノシシよりもずんぐりした体形です。

また、肉質も変わりました。ブタの肉はイノシシの肉に比べ、脂肪が多いです。一方でイノシシの肉はブタに比べ、タンパク質と水分が多いです。

多産で成長が早い

まず、ブタはイノシシに比べ1年回の出産回数が多いです。ブタは1年間に2~3回主産します。一方で、イノシシは1年間に、1回しか出産しません。ブタの1回に出産数10頭程度です。それに対しイノシシは一度に3~5頭程度です。

続いて成長速度です。ブタはイノシシよりも成長速度が早いです。ブタは1年後には十分に繁殖が可能です。イノシシは、繁殖が可能になるまで2年かかります。

ブタはは家畜化される過程で、毛が少なくなり、肌も褐色ではなくなりました。野生で生きるイノシシには、先端の鋭い枝や、岩などが体を擦った時に、身を守るために毛が必要です。また、褐色の見た目は、保護色となります。一方、家畜化されたブタに、イこれらの特徴は不必要で消失したと考えられます。

実は牙が生える

実は、イノシシ同様ブタにも牙が生えます。しかし、一般に目にするブタに牙は見当たりません。これは、畜産農家の方が、ブタの牙を生後一週間ほどで切断しているからです。

この牙を切断する行為ですが、神経感染症、骨折、出血などを引き起こし、決してブタに優しいとは言えません。そのため、ヨーロッパなどでは、ブタの牙を切断するのではなく、研磨することが多いようです。しかし、研磨もブタに骨折や出血などの悪影響を与えますが、切断よりはましです。

かつてはエコに貢献

昔、中国や韓国、沖縄などでは、豚小屋をトイレの下に設置して、ブタに人糞を与えていたそうです。現在でも東南アジアの一部地域では人糞をエサに与えているそうです。人糞にはヒトが消化、吸収できなかった栄養成分が含まれています。ブタにエサを与えることができるとともに、人糞の処理に困らない、環境に優しい飼育法でした。しかし、現在では衛生上の問題から、行われていない地域がほとんどです。(日本では行われていない。)

一言

「ブタ」は人を蔑む言葉として使われますが、実際の「ブタ」は綺麗好きで、賢い動物です。

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