りけイノシシのweb〇〇

理系出身の筆者、生物や化学のおもしろさを伝えるためのサイトです。当面は、生物や動物、それらに関連する技術・研究のメカニズムについて発信していきます。温かい目で見守って下さい。

MENU

オオカミの特徴:web動物図鑑

草むらにいるオオカミ

食事

オオカミはその見た目から、肉食性と思われがちですが、正確には、雑食性です。基本的には、動物を捕まえて食べますが、植物を食べる場合もあります。

オオカミが捕まえて食べる動物は以下です。

  • イノシシ、
  • シカ、
  • ヤギ
  • プレーリードック
  • アライグマ
  • 野ウサギ、ネズミなどの小動物
一方で、空腹の際にいつでも、獲物を捕まえることができるわけではありません。そkで、野生のオオカミは、群生している果実などを食べることがあります。オオカミにとって、果実は手っ取り早く、糖分を補給できる優れた栄養源なのです。また、獲物が十分でない場合、ヒトが飼育する家畜を襲うこともあります。

分布

オオカミは、広範囲にわたり生息しています。生息している地域は以下です。

群れ(パック)で生活

3匹のオオカミ

オオカミは、群れ(パック)で生活しています。パックのリーダーはオスとメスの二頭のオオカミがいます。一つのパックのオオカミの数は大体3~10頭ほどですが、中には30頭になることもあります。

パックの中には明確な順位があり、捕まえた動物を食べる順番もこの順位により決まります。最下位のオオカミは、食べ物が不足してい場合、なかなかありつけないこともあります。

さらに、通所繁殖をするのは、パックのリーダーのオスとメスです。それ以外のオオカミは、パックのリーダーのオオカミの子育てを手伝います。パックで生まれたオオカミの中には、パックから離れて別のパックを離れたオオカミと新たな群れを作ったり、別のパックに受け入れられたるする場合もあります。

狩り

オオカミは狩りを群れで行います。群れで狩りを行うことで、自分より大きな100 kg級のシカを捕まえることができます。

狩りを行う際は、獲物を長時間追跡して疲れさせてから、噛みつき鋭い牙で息の根を止めます。長時間の追跡を行うことからもわかるように、オオカミは持久力に優れます。最高時速70 kmで20分間、時速30 km程度なら、約7時間以上走ることができます。

オオカミが生態系の回復に貢献?

オオカミが絶滅した地域にオオカミを再導入することで、生態系が回復した地域があります。アメリカ合衆国イエローストーン国立公園とアイダホ州です。

オオカミが絶滅した地域では、天敵がいなくなった、草食動物が増加し森林の消滅など植生が被害を受けました。また、捕食者のいなくなった草食動物が増殖し過ぎ、エサとなる植物が不足する状態になり、草食動物の大量死も生じました。

そこで、乱れた生態系を正すために、オオカミの再導入が実施され、カナダの野生のオオカミが放たれました。その結果生物の多様性が回復したという報告がなされています。

ただし、オオカミの再導入により、オオカミが家畜を襲う事件が生じています。しかし、アメリカでは、環境保護団体がオオカミ補償基金を設立しているため、この基金から補償されています。

日本でも、シカやイノシシ、ニホンザルによる農作物への被害や、ヒトを襲う被害が生じているため、オオカミの再導入やニホンオオカミクローン技術による復元などが、時折話題になることがあります。しかし、実現する見込は低いでしょう。

一言

オオカミの再導入は、生態系の維持に、個々の種が大きく貢献していることを示す、良い例だと思います。また、オオカミの再導入は環境保護団体の在り方についても教えてくれます。生態系の保護を含めた自然環境の保全を行うための方法として、環境保護団体を設立するという方法があります。しかし、環境保護団体の発言力が弱ければ、社会全体が、生態系保護に舵を切るのは難しいでしょう。オオカミの再導入のような、地域住民に被害を及ぼしかねなない(家畜が襲われる)環境保護を行うためには、目的が明確かつ、発言力のある環境保護団体が必要なのでしょう。

web動物図鑑オオカミへ戻る