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トムソンガゼルの特徴:web動物図鑑

ここでは、トムソンガゼルの特徴について紹介しています。

草原にいる2匹のトムソンガゼル

見た目の特徴

トムソンガゼルは、良くその他草食動物でまとめられがちです。そこで、最初に、トムソンガゼルを見分けるためのポイントを紹介しておきます。

毛の色と尾

トムソンガゼルの毛の特徴は以下です。

  1. 顔から、背中にかけて、大部分が砂色の毛に覆われている。
  2. 顔の一部、腹部、脚の一部は白い毛に覆われている。
  3. 脇腹のあたりにある、帯状の黒色の毛に覆われた部分がある。
  4. 尾は黒くて短い。

トムソンガゼルの特徴解説のための写真と文字

他の草食動物と見分ける上で役立つのは、1と3の特徴だと思います。

ただし、良く似た配色で、脇腹に帯状の黒色の毛を持った、スプリングボックという動物がいます。見分け方は簡単で、鼻の上部が砂色の方が、トムソンガゼル、白いのがスプリングホッグと覚えておけば良いでしょう。

トムソンガゼルとスプリングホッグの違いを説明する写真と文字

オスとメスの違い

トムソンガゼルのオスは、メスに比べて、大きく立派な角を持ちます。一方メスの角はオスよりも小さく、角のないメスもいます。

トムソンガゼルのオスとメスの特徴解説をする写真

食事

トムソンガゼルは草食動物です。雨季と乾季のある地域に生息しているため、季節によって食べる植物が異なります。雨季には新鮮な草を食べます。一方で乾季には、灌木(低木)やクローバー、その他の植物の枝葉を食べます。

分布

トムソンガゼルはアフリカの以下の地域に生息しています。

サバンナや、短い草の生えた草原地帯を好んで生息しています。また、背の高い草の生えた草原地帯や、木の生い茂った森林地帯に移動することもあります。

他の草食動物を見張りに利用

トムソンガゼルの群れに、他の草食動物が混ざっていたり、群れの近くに他の草食動物(の群れ)がいたりする場合が多いです。この理由は、トムソンガゼルが、他の草食動物を見張り台として活用しているからと言われています。

トムソンガゼルは、アフリカに暮らす草食動物の中では、そこまで大きくありません。そのため、背の高い大型の草食動物よりも遠くを見渡すことができません。そのため、どうしても、忍び寄る捕食者の発見に遅れてしまいます。

そこで、トムソンガゼルの群れは、自分たちよりも早く危機を察知できる、大型の草食動物の近くにいて、捕食者から早めに逃げられるようにしています。

トムソンガゼルの逃げ方

トムソンガゼルが捕食者から逃げる時は、約時速80 kmで走って逃げます。また、逃げる際には、何度も方向転換しながら走ることで、捕食者の狙いを定めにくくするとともに、急加速しにくくさせています。捕食者は速度を出しづらい分、捕まえにくくなります。実際にチーターから逃げる映像が、あったので添付しておきます。


Gazelle vs 2 cheetahs

群れの構成は?

トムソンガゼルは群れを作る動物です。

  1. 縄張りを持たないオスの群れ
  2. 縄張りを持つオス
  3. メスの群れ(子どもを含む)

縄張りを持たないオスの群れ

自分の縄張りを持たないオスは、群れを作って生活しています。若いオスは、この群れに所属していることが多いです。

縄張りを持つオス

縄張りを持ったオスは、自分の縄張りに入ってきた、メスのグループと繁殖することができます。(ただし、自分の縄張りに入ってきた、メス全てと繁殖できるわけではありません。)

また、縄張りを持たないオスが、自分の領域に入ってきた場合は、追い出します。

メスの群れ

縄張りを持ったオスの縄張りを自由に出入りします。特に、食べ物となる草の多い場所に頻繁に移動します。メスの群れの何頭かが、縄張りを持ったオスと繁殖します。

一言

よく、トムソンガゼルはインパラと間違えられることが多いですが、きちんと区別してあげてください。

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