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理系出身の筆者、生物や化学のおもしろさを伝えるためのサイトです。当面は、生物や動物、それらに関連する技術・研究のメカニズムについて発信していきます。温かい目で見守って下さい。

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カバの特徴:web動物図鑑

ここでは、カバの特徴を紹介しています。

横から見たカバの立ち姿

1日の流れ

水から上がろうとしているカバ

カバは日中を水の中で生活しています。基本的に、日中が陸に上がることはありません。水中で寝て過ごすこともあります。このように一日の大半を水中で過ごすカバは、水の中で、生活することに特化した体のつくりをしています。

水中での生活に特化したカバの体のつくり:web動物図鑑

日が落ち夜になると、陸に上がり4~6時間かけて、食べ物を探し、食事を行います。移動距離は3 kmほどです。移動の途中に水場があれば、そこで休憩を取ることで、一晩で10 kmも移動することがあります。

カバはフンの活用が上手:web動物図鑑

食事

草を食べているカバ

カバは草食動物で、以下のようなものを食べます。

  • 木の葉

ただし、時には小型の動物の死骸などをたべることもあります。

カバの一日の食事量は、およそ40 kgです。体重のわりに食べる量は少ないです。この理由は、日中を、温度が変化しにくい水中で、ほとんど動かずに生活しエネルギーを節約しているからだと考えられています。

分布

カバは、アフリカ大陸のサハラ砂漠以南に、点在して生息しています。カバの生息地は昔に比べると、大きく減少しました。

カバが生息する場所には、必ず湖や河川などの水場があります。逆に水場のない場所では、生きていけません。ちなみに、カバは水中を、およそ時速8 kmで移動します。

血の汗

カバの表皮細胞は薄く、表面に毛が生えていません。そこで、カバは水中から外に出ると、肌を紫外線や、病原菌から守るために、「血の汗」とよばれる粘液を、皮膚から分泌します。

この粘液は、「血の汗」と呼ばれますが、血でも汗でもありません。成分は、ヒポスドール酸、ノルヒポスドール酸です。この粘液は分泌されてすぐは、無色透明ですが、時間が経つにつれて、オレンジから、赤、茶色へと変化します。

生活様式

水につかるカバの群れ

カバの生活様式は、以下のようになっています。

  1. メスとその子供の群れ
  2. 単独で生活するオス

カバのメスは10~20頭の群れを形成し、その子供達もこの群れで暮らします。

一方で、オスは単独で生活しています。力のあるオスは、メスの群れの周りに、縄張りを作ります。縄張りを持つオスは、水中でフンをまき散らし、縄張りを主張します。

他のオスは、縄張りを持つオスに従えば、その縄張り内にいることが認められます。縄張り内で、縄張りを持たないオスは、メスとの繁殖は許されません。この縄張り内で、縄張りを持たないオスは、メスから離れて生活しています。

牙は武器

大きく口を開けたカバの顔

カバの口には、大きな牙があります。この牙は、食べ物を食べるために必要なわけではありません。カバの大きな牙は、武器として使われます。

オス同士の闘いでの武器

オス同士は、縄張りをめぐって争います。大きく唸ったり、鼻から水を出したり、後ろ脚で蹴りあげるなどして威嚇します。オス同士の争いでは、口を大きく開けて、下の牙で相手の攻撃を防ぎつつ、上の牙で相手を攻撃します。オス同士の縄張りをめぐる争いは、激しく争いがもとで、死ぬ場合もあるそうです。

敵から身を守るための武器

も一つのカバの牙の用途は、天敵への攻撃です。自分の縄張りに侵入した天敵を追い出すために、カバは敵に噛みついたり、牙で攻撃したり、突進したり、脚で踏みつけたりします。また自信を獲物として狙う、肉食動物に対しても、同様な方法で攻撃します。ライオンや、ワニもカバには敵いません。

アフリカで最も危険?

アフリカでの現地の人々の間で、最も恐れられている動物は、ライオンやヒョウなどの肉食動物ではありません。アフリカで最も恐れられている動物は、カバなのです。

カバは普段は大人しいですが、遭遇して何らかの刺激により興奮すると、手がつくられなくなります。時速40 km程度で走ることができ、その巨体や牙による攻撃を受けたらひとたまりもありません。実際に、アフリカでは、野生のカバによる死傷者は毎年多数でています。

以下にカバの怖さがわかる動画を見つけましたので、添付しておきます。今回は車で逃げられて、よかったですが...


カバに追いかけられると意外と怖い

一言

野良カバを見つけても、決して近づいてはいけません。危険ですから。遠くからそっと観察しましょう。

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