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アカギツネの特徴:web動物図鑑

ここでは、アカギツネの特徴について説明しています。web動物図鑑の詳細解説です。

雪上に立つアカギツネ

実は「キツネ」という種はいない

生物学的分類では、正確には「キツネ」という種はいません。世界には「~~ギツネ」という名前がつく種は多くいます。亜種まで考慮すると、さらにその数は増えるでしょう。そもそも、キツネ(アカギツネ)はイヌ科の動物なのですが、イヌ科の種の大半が「~~ギツネ」で終わります。イヌ科なのに「~~イヌ」とつく種はほとんどいません。イヌ科なのにおもしろいですね。

日本には「~~ギツネ」という種の動物は、「アカギツネ」しかいません。そこで、日本では、「キツネ」と言えば、「アカギツネ」を指します。これ以降は、キツネという言葉を使うようにしましょう。

食事

キツネ同は雑食性です。ウサギやネズミ、モグラの小動物や、鳥、魚、昆虫などを食べるとももに、植物の果実や葉や芽なども食べます。

イギリスの都市部に生息するキツネは、ヒトからエサをもらったり、残飯を漁ったりします。

ダイブする方向で狩りの成功率が変化

雪の積もった冬でも、キツネは、雪の中にいる姿の見えない獲物を、高い確率で捕獲できます。

このキツネの仮について非常におもしろい研究があります。チェコの研究者の研究によれば、キツネは北東方向もしくは、真逆の南西方向から獲物に向かってダイブすると、それぞれ狩りの成功率は73%と60%だったそうです。一方でそれ以外の方向からダイブした時の成功率は18%だったそうです。

この調査結果から、チェコの研究者はキツネは、地球の磁気を感知できるのはないかと考えています。現在までに、キツネが磁気を感知するための組織や器官などが特定できていないので、まだ可能性の段階です。本当かどうか確かめる必要があります。

分布と日本における生息地

本来、ユーラシア大陸北アメリカ大陸の大部分、北アフリカの一部分に生息していました。しかし、現在ではオーストラリア大陸にも生息しています。これは、ヒトの手で移入されたためです。そして、オーストラリア大陸に移入されたキツネは、在来の固有種を捕食してしまうため、重度な生態系の破壊を引き起こしています。

キツネは、温暖な地域や、寒冷な地域の草原から森林まで、幅広くの環境に適応し生息しています。キツネはひとつの種で、多様な気候区分の下で生息できるという点で珍しい種です。ただし、タヌキほどは都市部や郊外での生活には適用していません。(イギリスのキツネは例外)

日本に生息するキツネ(アカギツネ)は、以下の二種類の亜種に分かれます。

日本地図と文字

ホンドギツネは、本州、四国、九州に生息しています。一方で、キタキツネは北海道に生息しています。沖縄県にはキツネは生息していません。

ホンドギツネとキタキツネの立ち姿と文字

ホンドギツネとキタキツネの大きな違いは、足です。図を見てください。ホンドキツネの足の先端や足首はあまり黒くありません。しかし、キタキツネは足の先端や足首の部分が黒くなっています。

ギンギツネ

地面に座ったギンギツネ

「ギンギツネ」と呼ばれるキツネが日本にも生息していますが、ギンギツネは毛の色の遺伝子が変異した、アカギツネのことです。すなわち、ギンギツネはアカギツネと同種である。もちろん、遺伝的な病気で、毛の色が違うわけでもありません。ギンギツネはその毛皮の美しさから、人工的に養殖されています。

一言

毛皮を取るために、ギンギツネが養殖されているのは、可愛そうです。まあ、でも、ウシやブタなども、ヒトが食べるために飼育されているわけですから、ギンギツネも同じようなものなんですかね。

最後に、本文中でも述べましたが、キツネが地球の磁気を感知できるというのは、あくまで可能性です。証明されたわけではありません。いつか、確認される日がくるといいですね。

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