カバはフンの活用が上手:web動物図鑑
カバは、フンの活用がとても上手な動物です。カバは糞を主に3つの用途で使います。ここでは、これら3つのフンの活用について紹介しています。
母親のフンを子どもが食べる
離乳したカバの子どもは、母親のフンを食べます。これには、理由があります。
基本的に、動物は植物の大部分を自力で消化することはできません。これは、草食動物も同じです。そこで、草食動物は消化管の中に、植物を分解するための微生物を、飼っています。草食動物が植物を食べると、微生物が代わりに植物を分解して、栄養分を産生しているのです。
カバの話に戻すと、母親から離乳したばかりの子供のカバのお腹には、植物を分解してくれる微生物はいません。そこで、カバの子どもは、植物を食べ始める前に母親のフンを食べて、お腹の中に微生物を住まわせるのです。
水中でフンをまき散らす
カバは、水中でフンをする際に、尾を振り回してフンを水中で、まき散らします。水中でフンをまき散らせば、水が濁ります。その結果、敵に見つかりにくくなるのです。
また、オスのカバがフンをまき散らすのには、別の理由もあります。オスのカバは、フンをまき散らすことで、縄張りを主張しているのです。
陸上でフンをまき散らす
水中と同様に、カバは陸上でもフンをまき散らします。この行動には、水中とは異なる意味もあります。
まず、オスのカバがフンを、陸上でまき散らす理由は、縄張りを主張するためです。この理由は、水中でフンをまき散らす理由と変わりません。
もう一つの、陸上でフンをまき散らす理由が、フンを道しるべにするためです。カバは、夜になると、陸に上がり、エサを探します。
そして、日が昇る頃には、元の水場へ戻る必要があります。そこで、水辺の近くを離れても、帰り道がわかるように、道中フンをまき散らしながらエサ探しをします。
一言
他の動物も、縄張りの主張などにフンを活用することもありますが、カバのフンの活用は本当に多種多様です。ここまでフンを活用する動物は、他にいるのでしょうか?